株の空売りで大損して死亡?失敗ブログから学ぶ信用取引のリスクと仕組みを解説

お金借りる

「株の空売りで大損した」「追証が発生して支払いに困った」といった失敗談やブログを見て、空売りに不安を感じている方もいるでしょう。空売りは株価が下落したときに利益を狙える取引方法ですが、株価が予想に反して上昇すると損失が拡大する可能性があります。

特に注意したいのが、買い戻しが集中して株価上昇が加速する「踏み上げ」や、損失の拡大によって追加の保証金を求められる「追証」です。仕組みを十分に理解しないまま取引すると、想定以上の負担につながることがあります。

本記事では、空売りで大損する仕組みや買い戻しできない場合のリスク、機関投資家による空売りの考え方を初心者向けに解説します。さらに、損失を広げないための対策や、追証の支払いが難しくなった場合の対処法まで紹介します。

株の空売りで大損するのはなぜ?初心者が知っておきたい3つの仕組み

空売りは、株価が下落したときに利益を狙える一方、予想に反して株価が上昇すると損失が大きくなる可能性がある取引です。現物取引とは損失が発生する仕組みが異なるため、十分に理解しないまま取引すると、追証などによって想定以上の負担が生じることもあります。まずは、空売りで大損につながる主な3つの仕組みを確認しておきましょう。

空売りとは株を借りて売り株価が下がった後に買い戻す信用取引

空売りとは、証券会社などから株式を借りて売却し、その後、株価が下がったところで買い戻して返済することで、売値と買値の差額から利益を狙う取引です。

たとえば、1株1,000円で空売りした株を800円で買い戻せれば、手数料などを除いて1株あたり200円の利益となります。一方、株価が1,200円まで上昇してから買い戻せば、1株あたり200円の損失です。

空売りは信用取引の方法の一つであり、証券会社に委託保証金を差し入れて取引します。自己資金だけで株式を購入する現物取引とは仕組みが異なるため、取引を始める前に損失が発生する条件や追加保証金のルールを確認することが重要です。

(参考:日本証券業協会「空売り」
https://www.jsda.or.jp/shijyo/seido/jishukisei/words/0063.html)

空売りは株価が上昇すると損失が大きくなる可能性がある

現物取引では、購入した株式の価値が0円になった場合でも、基本的に損失は投資した金額の範囲内です。一方、空売りでは、売ったときよりも株価が上昇すると、その差額が損失となります。

株価の上昇幅には理論上の上限がないため、空売りによる損失にも理論上の上限がありません。株価が急騰すれば、当初想定していた金額を大きく上回る損失が発生する可能性があります。

さらに、信用取引では損失によって委託保証金が一定の水準を下回ると、追加保証金を求められる場合があります。空売りで大損するリスクを抑えるためには、「そのうち株価が下がるだろう」と保有を続けるのではなく、あらかじめ許容できる損失額を決めておくことが大切です。

(参考:日本証券業協会「空売り」
https://www.jsda.or.jp/shijyo/seido/jishukisei/words/0063.html)

買い戻しが株価上昇を加速させる「踏み上げ」で大損することもある

空売りで注意したいのが「踏み上げ」です。空売りをした投資家は、最終的に株式を買い戻して返済する必要があります。

株価が予想に反して上昇すると、損失の拡大を避けるために空売りをしていた投資家が買い戻しを進めることがあります。その買い注文が株価をさらに押し上げ、別の空売り投資家も買い戻しを迫られるという流れが生じる場合があります。

特に空売りが多い銘柄では、好材料などをきっかけに買い戻しが集中すると、短期間で株価が大きく動く可能性があります。空売りでは「株価が上がっても待てば下がる」とは限らないため、損失が一定水準に達した場合の損切りルールを事前に決めておくことが重要です。

(参考:日本証券業協会「空売り」
https://www.jsda.or.jp/shijyo/seido/jishukisei/words/0063.html)

審査なし借入は危険?ブラックでも安全にお金を作る方法と独自審査で借りれる正規業者

空売りで買い戻しできない?大損につながる3つのリスク

空売りでは、株価が上昇するリスクだけでなく、希望する価格で買い戻せないことや、保有中に追加コストが発生することにも注意が必要です。さらに、含み損が拡大すると追加の保証金を求められる場合もあります。空売りで想定以上の大損を防ぐために、取引前に押さえておきたい3つのリスクを確認しましょう。

ストップ高などで買い注文が集中すると希望どおりに買い戻せない場合がある

空売りした株は、最終的に買い戻して返済する必要があります。しかし、株価が急騰してストップ高になるなど、買い注文に対して売り注文が極端に少ない状況では、買い戻し注文を出しても約定しない場合があります。

特に業績に関する好材料などが発表され、買い注文が集中している銘柄では、希望するタイミングや価格で決済できるとは限りません。買い戻せないまま株価が上昇すれば、含み損がさらに拡大する可能性があります。

そのため、空売りでは「損切り注文を出せばいつでも決済できる」と考えず、売買の成立しやすさや出来高なども確認したうえで取引することが大切です。

制度信用取引では逆日歩が発生してコストが増える場合がある

制度信用取引で空売りをすると、「逆日歩(品貸料)」が発生する場合があります。逆日歩とは、空売りが増えるなどして貸し出せる株式が不足した場合に、株式を調達するために発生する費用です。

逆日歩は常に発生するものではなく、銘柄の需給状況などによって日々変動します。金額に上限が定められているわけではないため、株式の調達が難しい銘柄では想定を大きく超える水準になることがあります。

特に注意したいのが、権利付最終日をまたいで空売りを保有する場合です。受渡日の関係で、休日を挟むと数日分の逆日歩がまとめて発生します。株主優待や配当の権利取りが集中する銘柄では、この時期に逆日歩が跳ね上がることがあります。

その結果、株価が予想した方向に動いたとしても、逆日歩を含めると損失になるケースもあります。空売りをするときは、株価の値動きだけでなく、保有期間中に発生するコストも確認しておきましょう。

また、信用取引では逆日歩以外にも手数料や金利などの費用がかかる場合があります。空売りをするときは、株価の値動きだけでなく、保有期間中に発生する可能性があるコストも確認しておきましょう。

(参考:日本証券業協会「信用取引」
https://www.jsda.or.jp/shijyo/seido/jishukisei/words/0313.html)

含み損が拡大すると追証が発生し追加の保証金が必要になることがある

空売りした銘柄の株価が上昇して含み損が拡大すると、委託保証金の状況によっては「追証(追加保証金)」が発生する場合があります。

追証が発生した場合は、証券会社が定める期限までに不足する保証金を差し入れるなどの対応が必要です。必要な対応を行わなかった場合には、証券会社によって建玉が決済される可能性もあります。

追証が必要となる基準や期限、対応方法は証券会社によって異なるため、利用している証券会社のルールを事前に確認することが重要です。空売りで大損するリスクを抑えるには、保証金を限界まで使って取引するのではなく、株価が予想と反対に動くことも想定した資金管理が求められます。

(参考:日本証券業協会「信用取引」
https://www.jsda.or.jp/shijyo/seido/jishukisei/words/0312.html)

機関投資家の空売りが増えるとどうなる?初心者が知っておきたい3つのポイント

株式市場では、個人投資家だけでなく、金融機関や投資ファンドなどの機関投資家も空売りを行っています。ただし、機関投資家による空売りが増えたからといって、その後の株価が下落すると決まっているわけではありません。空売り残高などの情報を売買判断に利用する場合は、データの意味や空売り規制の仕組みを理解しておくことが大切です。

機関投資家の空売りが増えても株価が下落するとは限らない

機関投資家による空売りが増えていると、「プロが売っているのだから株価は下がる」と考えてしまうかもしれません。しかし、空売り残高の増加だけを根拠に、その後の株価の方向を判断することはできません。

株価は企業業績や経済情勢、需給関係、市場参加者の売買など、さまざまな要因によって変動します。また、空売りされた株式はいずれ買い戻されるため、買い戻しが集中すれば株価上昇につながる可能性もあります。

機関投資家の空売り情報は、株価の下落を保証するものではありません。空売り残高は需給を確認するための情報の一つとして捉え、ほかの情報とあわせて判断することが重要です。

空売り残高だけで機関投資家の買い戻しタイミングを判断するのは難しい

一定規模以上の空売りポジションについては、金融商品取引法に基づく報告・公表制度が設けられています。具体的には、空売り残高が発行済株式総数の0.2%以上になると取引所への報告義務が生じ、0.5%以上になると取引所のウェブサイトで公表されます。

つまり、私たちが目にできるのは残高割合0.5%以上の大口ポジションだけです。それ以下の空売りは公表されないため、公表データが市場全体の空売り動向を示しているわけではありません。また、公表されている空売り残高から、機関投資家が「いつ買い戻すのか」まで判断することはできません。

空売り残高が多いからといって、すぐに買い戻しが行われるとは限らず、反対に残高が減少していても、その後の株価が上昇するとは限りません。

SNSなどで「機関投資家がそろそろ買い戻す」といった予測を見かけても、それだけを根拠に取引するのは避けたほうがよいでしょう。公表データはあくまで市場の状況を把握する材料の一つとして活用することが大切です。

(参考:日本取引所グループ「空売り規制」

https://www.jpx.co.jp/equities/trading/regulations/02.html)

空売り規制の仕組みを理解して機関投資家の動きに振り回されないことが大切

日本の株式市場では、市場の公正性を確保するために空売りに関する規制が設けられています。代表的なものが価格規制で、「トリガー方式」により、株価が基準値段から10%以上下落した場合にのみ発動します。

発動すると、その時点から翌日の立会終了まで、直近公表価格未満(株価下落時は直近公表価格以下)での空売りが禁止されます。翌々日には規制なしの状態に戻ります。

なお、個人投資家の信用売りは50単位以内であれば価格規制および残高報告の対象外です。日常的な取引で規制を意識する場面は限られますが、急落局面では注文が通らないことがある点は知っておきましょう。

ただし、空売り規制は「機関投資家の空売りを全面的に禁止する制度」ではありません。また、規制が適用されたからといって、その後に株価が上昇することが保証されるわけでもありません。

「機関の空売りがしつこい」「なぜ規制しないのか」と感じる場面でも、まずは制度上どのような取引が規制対象になるのかを確認することが重要です。機関投資家の動きを予測して追いかけるのではなく、自分自身の損失許容額や売買ルールに基づいて判断しましょう。

(参考:日本取引所グループ 「空売り規制」
https://www.jpx.co.jp/equities/trading/regulations/02.html)

【最短即日】今すぐお金を作る方法15選!審査なし・あり別の現金化ルートをプロが解説

空売りの失敗や大損を防ぐために実践したい3つの対策

空売りでは、予想に反して株価が上昇すると損失が拡大するため、利益を狙うこと以上にリスク管理が重要です。特に信用取引では、委託保証金の状況によって追証が発生する可能性もあります。大損を防ぐためにも、取引を始める前に損切りの基準や資金管理のルールを決めておきましょう。

損失が膨らむ前に損切りラインを決めて逆指値などを活用する

空売りでは、株価が予想に反して上昇した場合に、どの時点で損失を確定させるのかをあらかじめ決めておくことが大切です。「もう少し待てば下がるかもしれない」と判断を先延ばしにすると、その間に株価がさらに上昇して損失が拡大する可能性があります。

損切りの基準を決めたうえで、利用している証券会社が対応している場合は「逆指値注文」を活用する方法もあります。逆指値注文は、株価があらかじめ指定した価格に達した場合に注文を発注する仕組みです。

ただし、相場が急激に動いた場合などには、指定した価格どおりに約定するとは限りません。逆指値を利用すれば損失を確実に一定額以内に抑えられるわけではないため、注文方法の特徴を理解したうえで活用しましょう。

委託保証金率と追証の条件を確認して余裕のある資金管理を行う

信用取引では、証券会社に委託保証金を差し入れて取引を行います。空売りした銘柄の株価が上昇して含み損が増えるなどして、委託保証金が必要な水準を下回ると、追証を求められる場合があります。

追証の発生基準や解消方法、入金期限などは証券会社によって異なるため、「何%なら安全」と一律に判断するのではなく、利用している証券会社のルールを確認することが重要です。

また、取引できる上限まで建玉を増やすと、わずかな値動きでも保証金の余力が低下する可能性があります。急激な株価変動にも対応できるよう、保証金の状況を確認しながら余裕を持った資金管理を心がけましょう。


(参考:日本証券業協会「信用取引」
https://www.jsda.or.jp/shijyo/seido/jishukisei/words/0312.html)

生活資金を投資に回さず信用取引のポジションを大きくしすぎない

信用取引では、委託保証金を担保として自己資金を上回る金額の取引ができます。その分、予想どおりに株価が動けば利益を大きくできる可能性がある一方、予想に反した場合には損失も大きくなります。

そのため、家賃や食費、教育費など、日常生活に必要なお金を信用取引に回すことは避けましょう。生活資金まで投資に使ってしまうと、損失が発生した際に生活そのものへ影響が及ぶ可能性があります。

空売りを行う場合は、損失が発生しても生活に支障が出ない範囲の資金で取引し、ポジションを大きくしすぎないことが重要です。特に初心者は、信用取引でどこまで損失が拡大する可能性があるのかを理解したうえで、自分が許容できる損失額を事前に決めておきましょう。


(参考:日本証券業協会「信用取引」
https://www.jsda.or.jp/shijyo/seido/jishukisei/words/0312.html)

空売りで大損して追証を払えないときに取るべき3つの行動

空売りで想定以上の損失が発生し、追証の支払いが難しくなった場合でも、そのまま放置することは避けましょう。まずは追証の金額や期限を正確に確認し、現在の資金状況を整理することが重要です。損失を取り戻そうとして新たな取引や借入を重ねると、さらに負担が大きくなる可能性があります。支払いが難しい場合も含め、順番に取るべき行動を確認しましょう。

証券会社に追証の金額・入金期限・解消方法を確認する

追証が発生した場合は、まず利用している証券会社からの通知や取引画面を確認し、必要な金額と対応期限を把握しましょう。

追証の発生基準や解消方法、期限までに対応できなかった場合の取扱いは、証券会社によって異なります。入金以外の方法で解消できるのか、建玉を決済した場合にどのような扱いになるのかなど、不明な点があれば証券会社へ直接確認することが大切です。

必要な対応を行わないまま期限を迎えると、証券会社によって建玉が決済される場合があります。さらに、決済後も損失を補えなければ不足金が残る可能性もあるため、通知を放置せず早めに対応しましょう。

損失を取り戻すために新たな信用取引や借入を重ねない

空売りで大損すると、「次の取引で取り戻したい」と考えてしまうことがあります。しかし、損失を抱えて冷静な判断が難しい状態で新たな信用取引を行えば、さらに損失が拡大する可能性があります。

また、追証や投資損失を補う目的でカードローンなどから借入を行う場合も慎重な判断が必要です。借りたお金には返済義務があり、利息も発生するため、投資による損失とは別に毎月の返済負担を抱えることになります。

金融庁も、借入を検討する際には本当に必要なのか、無理なく返済できるのかを確認するよう案内しています。まずは投資による損失と生活に必要な資金を分け、追加の取引や借入によって損失を取り戻そうとしないことが重要です。

(参考:金融庁「多重債務者対策・貸金業法等について」https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/)

支払いが難しい場合は専門家や公的な相談窓口へ早めに相談する

追証による不足金などを自力で支払うことが難しい場合は、新たな借入だけで解決しようとせず、弁護士などの専門家や公的な相談窓口へ相談する方法があります。

法テラスは、借金を含む法的トラブルについて、適切な相談窓口や法制度に関する情報を案内しています。また、一定の収入・資産要件を満たす場合には、無料法律相談などを利用できる場合があります。

金融庁も全国の財務局などに多重債務相談窓口を設けており、借金の返済が困難になった場合の相談先を案内しています。支払いのために借入を繰り返す前に、現在の債務額や収入、生活費などを整理したうえで、早めに相談することが大切です。

(参考:金融庁「多重債務者対策・貸金業法等について」
https://www.fsa.go.jp/policy/kashikin/)

(参考:法テラス「無料法律相談・弁護士等費用の立替」https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/goriyounonagare.html)

まとめ:株の空売りで大損したら放置せず損失拡大を防ぐ対処をしよう

空売りは、株価が下落すれば利益を狙える一方、予想に反して株価が上昇すると損失が大きくなる可能性があります。さらに、踏み上げによる急騰や買い戻しが成立しない状況、逆日歩、追証など、現物取引とは異なるリスクにも注意が必要です。

大損を防ぐためには、取引前に損切りの基準を決め、委託保証金に余裕を持たせるなどの資金管理を徹底することが重要です。損失が発生したからといって、取り戻すために新たな信用取引を重ねると、さらに損失が拡大する可能性があります。

すでに追証が発生している場合は、まず証券会社に金額や期限、解消方法を確認しましょう。支払いが難しい場合には、追加の借入だけで対処しようとせず、公的な相談窓口や専門家へ相談することも選択肢です。

ネット上には空売りの失敗談が数多くありますが、極端な事例を必要以上に恐れるのではなく、なぜ損失が拡大したのかを理解することが大切です。空売りの仕組みとリスクを正しく把握し、自分が許容できる損失の範囲内で取引することが、大きな損失を防ぐ基本となります。