投資失敗の末路とは?自己破産のリスクと現実的な回避策
投資で大きな損失を出してしまい、「人生が終わった」「もう自己破産するしかない」と、一人で追い詰められていませんか。結論からお伝えすると、投資の失敗による借金は、正しい知識と行動によって解決できる可能性が十分にあります。多くの方が心配する「破産すらできないのでは」という不安も、実際には解消できるケースがほとんどです。この記事では、投資失敗によって起こりうる末路を整理したうえで、自己破産の現実、そして今すぐできる現実的な回避策までをわかりやすく解説します。焦らず、まずは一つずつ状況を整理していきましょう。
投資に失敗するとどうなる?考えられる末路を整理
投資で失敗したとき、頭の中には最悪の想像ばかりが浮かんでしまうかもしれません。眠れない夜が続いたり、誰にも相談できずに一人で抱え込んでしまったりする方も少なくないでしょう。まずは、実際に起こりうる末路を一つずつ、冷静に整理していきましょう。
結論、多くの場合は返済方法を見直すことで解決できる
投資の失敗で借金を抱えたとしても、多くの場合は返済方法を見直すことで状況を改善できます。任意整理や自己破産といった債務整理の手続きは、借金で苦しむ人を救済するために用意された正式な制度です。「借りたお金は何があっても自分で完済しなければならない」と思い込んでしまう方も多いのですが、法律に基づいた解決の道が用意されていることを、まず知っておいてください。どの方法が合っているかは状況によって異なるため、早い段階で専門家に相談しながら見極めていくことが大切です。
最も避けたい末路|夜逃げや心の不調の悪化
本当に避けたい末路は、実は自己破産そのものではありません。誰にも相談できずに一人で抱え込んだ結果、夜逃げをしてしまったり、強い不安から心の不調が悪化してしまったりすることこそが、深刻な末路といえます。こうした事態は、早い段階で適切な相談先につながることができれば、防げる可能性が高いものです。孤立してしまうことが、状況を悪化させる一番の要因になりやすいと考えておきましょう。
「人生が終わる」わけではないという現実
投資の失敗によって「人生が終わった」と感じてしまう気持ちは、決して大げさなものではないでしょう。
日本弁護士連合会の「2023年破産事件及び個人再生事件記録調査」によると、破産申立ての原因・動機として「投資(株式、会員権、不動産等)」が3.33%を占めており、1997年の調査開始以降で最も高い水準となっています。投資の失敗から破産手続に至る方は、決して例外的な存在ではありません。
債務整理の手続きを経て生活を立て直し、再び安定した暮らしを送っている方は数多くいます。今の苦しい状況も、正しい手続きを踏むことで、時間はかかりながらも変化していく可能性があると考えてください。
投資の借金は自己破産できない?免責不許可事由の実態
「投資が原因の借金は自己破産できない」という話を耳にして、不安になっている方も多いかもしれません。ネット上の断片的な情報だけを見て、必要以上に絶望してしまうケースも見られます。ここで、免責不許可事由と呼ばれる制度の実態を、順を追って整理していきます。
投資は免責不許可事由に該当する場合がある
破産法では、株式投資やFXなどの「射幸行為」によって著しく財産を減らしたり、過大な借金を抱えたりした場合、原則として「免責不許可事由」に該当すると定められています。免責とは裁判所の決定により、原則として借金の支払い責任を免れるための手続きのことです。そのため、投資による借金は、この免責不許可事由に形式的にはあてはまるケースが多いといえます。
参考:e-Gov法令検索「破産法」
https://laws.e-gov.go.jp/law/416AC0000000075
それでも「裁量免責」で救済される可能性がある
免責不許可事由に該当する場合でも、裁判所が状況を総合的に考慮したうえで、あらためて免責を認める「裁量免責」という仕組みがあります。免責不許可事由が投資の一点のみで、その後の生活状況や反省の態度などが考慮される場合には、裁量免責が認められるケースが少なくないとされています。「該当するから絶対に無理」というわけではない点を知っておくことが大切です。
免責が認められる割合は9割を超えるという現実
実際の統計を見ると、免責が許可される割合は9割を超えています。日本弁護士連合会の「2023年破産事件及び個人再生事件記録調査」(2022年6月〜11月の1,233件を対象)によると、免責許可は96.84%、免責不許可は0.08%(1件)でした。
免責が不許可となるケースは、ごくわずかにとどまるのが実情です。もちろん個別の事情によって結果は異なりますが、「投資が原因だから絶対に免責されない」と決めつけず、まずは専門家に状況を相談してみることをおすすめします。
なお同じ調査では、破産申立ての原因・動機として「投資(株式、会員権、不動産等)」が3.33%を占めており、1997年の調査開始以降で最も高い水準となっています。投資の失敗から破産手続に至る方は、決して例外的な存在ではありません。
参考:日本弁護士連合会「2023年破産事件及び個人再生事件記録調査」https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/publication/pamphlet/2023_hasan_kojinsaisei.pdf
最悪の末路を避けるために今すぐできる3つの行動
ここからは、深刻な末路を避けるために、今すぐ取り組める具体的な行動を3つ紹介します。特別なことをする必要はなく、一つずつ着実に進めていくことが、状況を好転させる近道になります。
一人で抱え込まず、まず専門家に相談する
もっとも大切なのは、一人で抱え込まず、早い段階で弁護士や司法書士といった専門家に相談することです。
国が設立した法的トラブルの相談窓口である法テラスでは、収入や資産が一定基準以下であることなど、条件を満たす場合に無料法律相談を利用できます。同一問題について3回まで利用でき、費用はかかりません。
費用面の不安から相談をためらってしまう方もいますが、弁護士・司法書士への依頼費用を法テラスが立て替え、原則として月5,000円〜1万円程度の分割で返済していく制度も用意されています。
法テラス・サポートダイヤル:0570-078374(平日9:00〜21:00、土曜9:00〜17:00)
誰かに現状を話すだけでも、気持ちが整理されることがあります。
参考:法テラス「無料法律相談援助の流れ」https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/goriyounonagare.html
参考:法テラス「借金に関するよくある相談」
https://www.houterasu.or.jp/site/faq/list53.html
心の負担が大きいときは、こころの相談窓口も活用する
借金の不安から強いストレスや眠れない状態が続いている場合は、法律の相談とあわせて、心の健康に関する相談窓口も活用してください。
厚生労働省の「こころの健康相談統一ダイヤル」(0570-064-556)は、全国どこからかけても、その地域の公的な相談機関につながります。相談対応の曜日・時間は都道府県によって異なりますが、平日18時30分〜22時30分(受付は22時まで)は、精神保健福祉士や公認心理師による夜間の相談も実施されています。
24時間対応の窓口を希望する場合は、よりそいホットライン(0120-279-338/年中無休)も利用できます。
お金の問題と心の負担は、切り離して考えず、両方をケアしていくことが大切です。
参考:厚生労働省「こころの健康相談統一ダイヤル」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/jisatsu/kokoro_dial.html
家計の状況を紙に書き出し、現状を正確に把握する
漠然とした不安は、状況が見えないことでさらに大きくなりがちです。借入先、借入額、毎月の収支を紙やスマートフォンのメモに書き出し、現状を正確に把握してみましょう。数字として整理することで、専門家への相談もスムーズに進めやすくなります。
家賃が払えないなど緊急時の生活費の考え方
最後に、投資の借金を抱えながら、目先の生活費に困ってしまった場合の考え方を紹介します。落ち着いて対応するためのポイントとして、参考にしてください。
投資の借金の穴埋めのための借入れは避ける
投資で失った資金を取り戻そうとして、新たな借入れを重ねてしまうと、状況はさらに深刻になりかねません。焦りから追加の投資や借入れに手を出したくなる気持ちも理解できますが、それは根本的な解決にはつながりにくいものです。借金を借金で穴埋めする考え方は避け、投資の借金そのものについては、前述した専門家への相談を優先してください。
生活費が一時的に不足する場合の考え方
一方で、家賃や光熱費など、生活に欠かせない支払いが今月だけ一時的に不足しているという状況では、考え方が異なります。専門家に相談しながら債務整理の手続きを進める間、最低限の生活を維持するための資金をどう確保するかは、あわせて検討しておきたいポイントです。
公的な緊急小口資金貸付制度という選択肢
新たな借入れを増やすことに不安がある場合は、社会福祉協議会が窓口となっている「生活福祉資金貸付制度」の緊急小口資金も選択肢の一つです。緊急かつ一時的に生活費の確保が難しくなった世帯向けに、10万円以内の少額を貸し付ける公的な制度です。金融庁も、返済の見込みが立たないまま新たな借入れを重ねることは多重債務につながるおそれがあると注意を呼びかけており、こうした公的な支援制度や、前述した法テラスなどの相談窓口をまず活用することをおすすめします。
まとめ|正しい知識と相談で、状況を整理する一歩を
投資の失敗による借金は、正しい知識と早めの行動によって、解決できる可能性が十分にあります。投資による借金は原則として免責不許可事由に該当しますが、裁量免責によって救済されるケースは少なくなく、免責が認められる割合も9割を超えています。本当に避けたいのは、一人で抱え込んだ結果としての夜逃げや心の不調の悪化です。まずは弁護士や司法書士などの専門家、必要に応じてこころの相談窓口にも頼りながら、家計の状況を整理していきましょう。目先の生活費に困った場合も、投資の借金の穴埋めではなく、あくまで一時的な備えとして冷静に判断することが大切です。焦らず、一歩ずつ状況を整理していってください。
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